AEDの盲点~風呂は命の洗濯~

まさか、AEDのパッドが貼れないとは…
という現場のお話。

日本各地で普及し始めたAED。
コンビニやスーパーにあるAEDは、
フタを開けてボタンを押すと自動で喋ってくれます。

あとは落ち着いてパッドを貼って、
音声通りに行動をするのです。

もちろん救急車にも積んでいます。
救急車の積んでいるAEDは心電図波形のモニターが付いていて、
救急隊員が電気ショックをするかしないかを判断できる「半自動」のAEDです。

そのため、
現場で心肺停止状態の人を見つけたら、まずはAEDのパットを貼って心電図の波形を見ます。
心臓が痙攣してるか、止まってるか、という判断をすることが出来るのです。

このAEDのパッドですが、
粘着力が結構すごくて、かなりベトベトしています。
そう、例えるならゴキブリホイホイくらい。

一回貼ったらそうそう剥がれません。
とてもよく出来ています。

が、

ときどき剥がれてしまう人がいます。

冬の寒いある日、
ひとり暮らしの老人が自宅で倒れているのを友人が発見し救急要請しました。
現場に着いて観察すると心肺停止状態。
体温はまだ生暖かいので急いでパットを貼ります。

が、

が!

がっ!!

事件が起きます。

この方はお風呂が嫌いなのか、
身体中がもの凄い量の垢で覆われています。

触るとポロポロ垢が剥がれていきます。
AEDパッドを貼ったのに、ペラっと剥がれてしまいました。
隊員全員びっくりしました。

パッドの裏には垢がびっしり。
もうこのパッドは貼り直せません。
AEDパッドの盲点でした。

幸いにも予備のパッドがあるので、体を拭いて再度貼り直しました。
お風呂が嫌いで臭いが凄い人とかたまにいるのですが…。

たまには入って下さい。

心肺停止の時にすぐパッドが貼れないと貴重な時間ロスします。

「お風呂は命の洗濯」という言葉が比喩ではなくなった出来事でした。

お願いします。お風呂入りましょう。