犬飼隊員エピソード①~実はすごい人!?~

救急車が傷病者を病院へ送り届けた後、帰り道で自動車が事故を起こしている事があります。
つまり、通報で駆け付けた訳ではなく偶然にも交通事故現場に遭遇するのです。

これを発見したら無線で

「帰署途上に事故を現認。対応します。」

と報告し、怪我人の有無やガソリンの危険物流出の有無を調べ、
怪我人の適切な搬送、新たな災害発生を防止するのです。

さて今回は犬飼隊員のエピソード。

ある昼下がり。
病院から帰る途中、対向車線で自動車が電柱にぶつかっているのを目撃しました。
警察官が来ていないところからして、つい先ほど事故ってしまった様です。

という訳で、上記の通り無線を入れます。
無線を入れた後は救急車を安全な場所に止めて様子を見に行きます。

ハザードをつけて現場に着くと、
車の横で運転手と思われる男性が電話をしていました。
おそらく110番して警察を呼んでいるのでしょう。

それを見た犬飼隊員が、
救急車の中から車輪止めを持って事故車両に近づきます。

エンジンを止めて車輪止めをして、おもむろにボンネットを開けました。
レンチで何やらバッテリーをいじる。
その直後、絶縁テープでクルクル…。

素早い動きで一通り終わらせると、
隊長にボソッと話して救急車内に戻り、無線を入れる。

いつもはぱっとしない犬飼隊員ですが、
見とれる程にテキパキと作業をこなしていました。

さて、今回の犬飼隊員の動きを解説しましょう。

まずは私たちが活動するために安全の確保をします。
急に車が動かない様にエンジンを切ります。
僅かな傾斜で車が動かない様に車輪止めもします。

バッテリーから火花が出ると、
ガソリンが漏れていた場合に発火する可能性があるので取り外し、絶縁保護をするのです。
一通り危険を排除すると、無線でその旨を報告するのでした。

手際がいい。

ぱっとしないとと思ったら、
実は物凄く仕事ができる人でした。
本当の名人や名選手は事前にリスクをそつなく捌いているのでファインプレーが起こらず、傍から見ると全然目立たないとか言うアレです。

相変わらず落ち着いている。
仕事ぶりを知らないとパッとしないように見えますが、実はすごい人かも…。
犬飼隊員、謎過ぎです。

後から聞いた話。
犬飼隊員は元々は救助隊(※)でバリバリやっていたらしい。
でも視野を広げたくて救急隊(※)になったとのこと。

(※)
消防士には「消火隊」「救急隊」「救助隊」の種類があります。
消火隊…消防士の一般的なイメージ。火災現場が主戦場ですが、状況に応じて救急車と連携もします。(PA連携!)
救急隊…救急車の要請を受けて現場へ駆け付け、傷病者の処置や病院への搬送を行います。
救助隊…人命救助に特化した部隊で、レスキュー隊と呼ばれたりもします。事故現場や災害現場で活躍します。

そういえば、犬飼隊員は今まで何でもサラっとこなしていたし…
謙虚なのに何でも知ってるし…
実はかなり凄い人だったのでは…。
今後も観察してみます。

追伸。
文章だと犬飼隊員の凄さが伝えきれなくて悔しいです!
消防士の仕事を涼しい顔でそつなくこなすのって難しいんです!
次回のエピソードでは頑張ります。