消防士と言えば、
みんなで食事中に突如指令が入り、
一瞬で着替えて2階から1階へはポールを使って移動する。
ダッシュで移動して車両に乗り込む。
そんなイメージを持っている人がいると思います。
僕も消防士になるまでそう思っていました。
でも、すいません。
あのポール、無いんです。

食事中とか料理中だと、
ダッシュする前に必ずガスの元栓閉めたか確認します。
「火事だ!行くぞ!」
「はい!」
「ガスの元栓閉めたか?」
「はい!閉めました」
「よし!」
というシュールな会話があります。
でも、消防署が火事になったらシャレになりません。
医者の不養生ならぬ、消防士の火の不始末。
絶対に新聞に載っちゃうヤツなのでNGです。
これも新人の大事な仕事なのです。
万が一現場から帰ってきた時にガスの元栓開いてるのが見つかったら…
とんでもなく怒られます。
脳みそに刻み込まれるくらい怒られます。
さて、例のポールですが…
今ではほとんどの消防署にはありません。
かなり古い消防署であればあるところもありますが。
あったとしても使っていません。
何故なら、怪我するから。
です。
消防署には10代で全身バネの様な新人消防士もいれば、
50代で色々体にガタが来た経験豊富な消防士も一緒に働いています。
もし、50代の消防士が最初にポールをゆっくり降りていたら、
上から10代消防士がサーっと降りてきてぶつかります。
この瞬間、消防士2名怪我で現場に行けなくなります。
あと、深夜だと寝ぼけてポールを取りっぱぐれる事があります。
怪我を経験した大先輩がいましたが、結構な怪我だったみたいです。
救助に行く直前に要救助者になる悲しみ。
(というかちょっと迷惑)
だからみんなちゃんと階段で降りて行きます。
かっこよくなくてすいません
でもちゃんと現場に着かないと話にならないので、ご了承ください。